協会について【きょうかい・に・ついて】

  • ご挨拶

    いつも辞典をご愛用いただき、まことにありがとうございます。
    辞典協会は、1946年(昭和21年)4月1日に発足いたしました。来年、創立80周年を迎えます。当協会は、長きにわたって、辞典の普及と安定した発行を図るべく活動してまいりました。現在の会員は12社となっております。

    辞典は、学習・言論・学術・文芸などの活動を支える知のインフラであり、ことばを使って物を考える人を支援する重要なツールです。

    しかしながら、スマートフォンの普及とインターネットへの常時接続が普通になったことにより、人びとの物を調べる際の行動が激変した昨今では、従来に比べ、辞典が使われる場面が少なくなってきています。さらに近年は、人工知能(AI)の急激な発展と普及によって、世の中が根底から揺さぶられる「転形期」が訪れています。

    言うまでもありませんが、即効性ばかりを求める学びの態度からは、物事を深く広く考える力は得られません。ましてや、思考力・判断力・表現力は、生成AIに外部委託すべきものではありません。猛烈な速度で社会が変わっていく時代であるからこそ、借り物のことばではなく、自分のことばで物を考えることの重要性が見直される必要があると思われます。ことばを使って物を考えるほかない私たちにとって、これからも辞典は、ことばの規範を示し、ことばを鍛える力を授けてくれる、心強いパートナーであり続けるでしょう。

    辞典協会は、人工知能やインターネット上の知とは異なる、手わざと心尽くしによって編集された辞典の価値を発信することを通じて、社会的・文化的な貢献を続けてまいります。今後とも、末永く辞典をご愛顧たまわりますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

    2025年(令和7年)
    辞典協会理事長 瀧本多加志